「J&P Coats が運営していたファーガスリー製糸場は、工場が操業していた 1826 年から 1984 年までの間に何万人もの従業員が働いていた町最大の製糸工場でした」と Cameron 氏は説明します。「私は90年代に生まれたので、この町のほとんどすべての人々の生活に影響を与えたこの巨大な工場については、粗い画像でしか見たことがありませんでした。そのため、かつてのペイズリーの町の歴史的な復元を行い、1960年代以降に大規模に取り壊さる前の町の様子をもっとよく知りたいと長い間思っていました」
Cameron 氏が行ったファーガスリー製糸場のデジタル復元には多くの下準備が必要でした。何百枚もの写真、地図、図面、写真測量によるスキャンデータ、そしてさまざまなソフトウェアパッケージを使って丹念に作り上げました。Cameron 氏はまず、地元の慈善団体であるペイズリー ピープルズ アーカイブに連絡を取りました。ペイズリー ピープルズ アーカイブは、製糸場の忠実なレンダリング作成に必要なすべての参考資料を入手できるように、膨大な画像コレクションや敷地内の建物に関する詳細資料を利用できるようにしてくれました。
Cameron 氏は慈善団体から提供された貴重なデータのお陰で、可能な限り正確なビジュアライゼーションを作成するために必要な調査をさらに行うことができました。「建物全体の画像は何千枚もありましたが、彫刻や石細工などの画像はほとんどありませんでした。これらのディテールを表現するために建築家や建築様式を調べるのに多くの時間を費やしました」と話します。
製糸場のモデリング
モデリングはこのプロジェクトの主要な作業で、すべての建築物と景観を完成させるのに合計約200時間を要しました。地形は5メートル等高線の地形図を使い、SketchUp Proでメッシュを作成してモデリングしました。建物モデルも完全に SketchUp で作成されました。その他のアセットについては、いくつかの無料の自動車モデルを除き、Twinmotion に含まれる Quixel Megascans ライブラリのあらゆるアセットが使用されました。
建物のモデリングについては、Cameron 氏は効率的なワークフローを開発しました。建物ごとに個別のモデルとして保存できるように、SketchUpで 1:500 のマップ アンダーレイを使用してマスターア センブリを作成したのです。「完全なマスター アセンブリをインポートする前に、個別のリンクとしてインポートできるように個々の建物をエクスポートしました。Twinmotion のリンク処理機能によって微調整した後でも簡単にモデルを更新できるため、とても楽に作業ができました」
その後、唯一残っている現物の建物を写真測量でスキャンし、建築上の比率を取得しました。次に、Photoshopで撮影し編集した写真とTwinmotion のマテリアル ライブラリを組み合わせた写真のテクスチャを建物の面に重ねてディテールをトレースし、SketchUp の汎用テクスチャを適用しました。
最後のステップは、別々のモデルを同じ座標系で Twinmotion にインポートすることでした。こうすることで、SketchUp のモデルに変更を加えた際にも、簡単にリンクを再読み込みすることができました。「そして、樹木や3Dアセットを追加したり、ライブラリから新しいテクスチャを適用したりして Twinmotion でシーンを作り込んでいきました。また、Adobe Photoshopで写真から新しいシームレスなテクスチャを作成し、Twinmotion のユーザーライブラリにインポートしました」とCameron 氏は説明します。
フォトリアルなレンダリング
レンダリングに関しては、Cameron 氏は Twinmotion のレイトレーシング機能を使って高いレベルのフォトリアリズムを実現できることを楽しみました。「光源設定についてよく検討し、スカイドームや太陽の位置、露出レベルを変えてシーンを微調整するのが楽しかったです」と彼は述べています。「Twinmotion ライブラリの樹木や植物も、シーンに生命を吹き込むのに非常に重要な役割を果たしました。リアルタイム レンダリングによってマテリアルと光の設定を微調整し、シーンをリアルにする作業が本当にスピードアップしました」と述べています。