Datasmith エクスポート接続を使用して 3ds Max から Twinmotion にファイルをインポートすることで、forma6 は、特に 3ds Maxで設定された V-Ray マテリアルについて、可能な限り多くのデータを取得することができます。
標準的なマテリアルではなく V-Ray マテリアルを含む 3ds Max のシーンを FBX 形式でエクスポートした場合、テクスチャファイルはマテリアルにリンクされず、シーンを Twinmotion にインポートすると光沢やバンプなどの V-Ray マテリアルのパラメータが失われます。「しかし、Datasmith を使用するとテクスチャファイルがリンクされ、マテリアルの一部のパラメータが維持されます」と Pierre-André氏は説明します。「3ds Maxでは V-Ray マテリアルを使用しているため、Datasmith を使えば V-Ray マテリアルを標準マテリアルに変換する必要がなくなり、時間を節約できます」
モデルが Twinmotion に取り込まれると、forma6 は VR を使うなど、クライアントにシーンを提示するための幅広いクリエイティブなオプションを得ることができます。「Twinmotion の VR 機能を使えば、クライアントにプロジェクトをインタラクティブに提示できるため、クライアントはプロジェクトに没入することができます」と Pierre-André 氏は説明します。
「このようにキーボードやマウス、VRヘッドセットを使って、クライアントが自分自身を未来に投影し、シーンの中をバーチャルに移動できるようにしています。今日では、このようなサービスの依頼はますます増えています」
Pierre-André 氏によると、クライアントはいつも、建設前のプロジェクトの”中に”自分がいることに気付き、とても驚いているということです。
コミュニケーションを向上させるためのリアルタイムツール
シャルトル大聖堂は、フランスを代表する教会の一つです。ユネスコの世界遺産に登録されているゴシック建築の至宝であり、ここで計画される建築設計作業は、言うまでもなく最も慎重に検討する必要があります。
forma6のチームは、大聖堂の足元にある広場のプロジェクトを依頼されました。これは、歴史的に重要な都市環境を考慮すると、非常に複雑なプロジェクトでした。Twinmotionは、設計段階を通してプロジェクトを提示するための重要なツールであることを証明しました。
このツールは、シャルトル市、遺産委員会、フランス建築家協会、エヴェッシェ(教区)など、プロジェクトに関わるさまざまな関係者の都市計画に関するさまざまな規制、要求、希望を満たすために必要な完全な可視性を提供するのに役立ちました。
「Twinmotionによって、プロジェクトの各段階ごと、または変更が加えられるたびに、ビデオや固定画像などを驚くほどの速さで作成することができました」と、Pierre-André 氏は述べています。「都市計画や建築の選択において、これは真の意思決定ツールでした」
forma6チームは、高品質な映像を制作する能力が最重要視される別のプロジェクトにも取り組みました。それは、Lycée Saint-Philbert-de-Grandlieu 高校です。この学校は、一般的な教育施設、ワークショップ、ケータリング、学生用宿泊施設、8つのスタッフ用宿泊施設で構成されており、最終的には1,500人の生徒を受け入れる予定です。
このプロジェクトに参加する企業は、開発による環境への影響を軽減するための厳しいガイドラインを順守する必要がありました。
参加企業は、自分たちのデザインプランを審査員に紹介するビデオを作成することが求められ、2021年初頭に forma6 が落札しました。このビデオでは、建物の外側とメインの屋内スペースを360°のフライスルーとウォークスルーで見ることができます。
「Twinmotionは、期限が非常に短いこの種の仕事にとても効果的であることが証明されています。Twinmotion を使うことで3Dアニメーションを非常に迅速に制作し、最後の最後、ギリギリまででプロジェクトの最適化に取り組むことができます」とPierre-André氏は語ります。
Hôpital de la Cavale Blancheは、数年前から進められているプロジェクトです。このプロジェクトでは、がんセンター、外科外来、画像診断センターなどの医療施設が新たに建設されるほか、既存の建物もすべて改修され、ランドスケープ、駐車場、歩行者用通路、トラムラインなどの屋外スペースも整備されます。
forma6チームは、敷地全体の再開発を目的とした都市計画と、立体駐車場の設計、建設、既存の建物のファサードの改修を目的とした建築家の概案を持っています。ここでのTwinmotionの使い方は少し異なります。
このチームは、現在敷地内に建設中の建物と、今後数年間に予定されている将来のプロジェクトの両方を取り込みやすくするための、スケーラブルなデジタルモデルの設計を依頼されていました。このプロジェクトは、2016年版のTwinmotion で始まり、2019年と2020年のバージョンでも手直しされました。また、Twinmotion 2021でも手直しが行われる予定です。
このプロジェクトのモデルはすべて3ds Maxで作成され、FBXファイルとしてTwinmotionにエクスポートされました。「Twinmotionが数百万のポリゴンを簡単に、リアルタイムで、速度を落とさずにグラフィック処理できる点が特に気に入っています」 と、Pierre-André 氏は述べています。
このデジタルモデルは、ブレスト メトロポール市の部署でも使用されており、市の3Dモデルに統合されています。
これらすべてのプロジェクトにおいて、forma6は各開発の「ストーリー」を効果的に伝えることができ、ステークホルダーに大きなアイデアを納得してもらうための旅に連れて行くことができました。さらに、Twinmotion Cloud のような機能は、必要なときにいつでもクライアントとコミュニケーションをとれる柔軟性を提供しています。
「Twinmotionを使えば、昼夜や季節を問わず、いつでもプロジェクトを見せることができます」とPierre-André氏 は語ります。「プロジェクトのあらゆる段階で使える本物のデザインツールであり、リアルタイムで実行できるため、さまざまなライティングの雰囲気の中でクライアントにプロジェクトを見せることができます」
Unreal Engine への取り組み
forma6 は、Twinmotion を採用することにって建築のパイプラインが広がり、将来へ向けて新たな可能性が開けました。
「リアルタイム技術は建築プロジェクトのコミュニケーションの中核になりつつあります」と Pierre-André 氏は語ります「この技術は、特に、Datasmith から Twinmotion へのプラグインを通して、さらに社内でも発展させていく予定です。 Twinmotion プロジェクトを Unreal Engine へ取り込み継続することは、私たちのプレゼンテーションにさらなるリアリズムとインタラクティブ性を追加するための次のステップとなります」