また、Reeves 氏は、自身のプロジェクトにとって Twinmotion Cloud が非常に有効なツールであることに気がつきました。「Twinmotion Cloud のいいところは、クライアントとの間で楽しみを見出せることです。たとえば、クリスマスが近付いていたら、雪を降らせることができます。クライアントがそれを気に入ってくれれば、親密な関係を築くのに役立つでしょう。私は Twinmotion Cloud を PowerPoint の強化版と呼んでいます」
Rymsza 氏は次のように述べています。「Twinmotion Cloud はクライアントがプロジェクトのどこに何があるかを理解するための最善の方法です。動画でアニメーションを実行する場合、シーケンスの間に切れ目が生じるため、集合住宅のすべての部屋を 1 つずつ見せていっても、クライアントはレイアウトを完全には理解できない可能性があります。Twinmotion Cloud を使えば、クライアントは空間内を能動的に歩き回り、理解を深めることができます」
Rymsza 氏のクライアントは、静止画像と比較してのこうしたリアルタイム プレゼンテーションの可能性を示され、それを徐々に理解し始めています。今後はプロジェクトのためにクライアントから Twinmotion Cloud でのプレゼンテーションを標準でリクエストされることが増えるだろうと Rymsza 氏は確信しています。
業務の大部分は個人のクライアント向けのリノベーションに関するものです。ライトやテクスチャなどのディテールを加えることができるため、リノベーションが空間にどう影響するか、設計のコンセプトを定める早期の段階でクライアントが感覚をつかめるようになっており、プロセスを円滑に進めることができています。
Marraum でディレクターを務める Adam Laskey 氏は次のように述べています。「空間についてできるだけ明確に理解してもらうために、クライアントには常に最善のものを届けようと努めています」
Marraum では VR のアプローチが標準となっており、これはすでにクライアントの獲得と維持に貢献しています。数年前、Marraum はリノベーションのプロジェクトについてあるクライアントと仕事をしました。そのプロジェクトでは、海岸沿いの物件が海のほうを向くように調整する作業が含まれました。物件が販売されたのちに、クライアントは夢の住宅を設計するために Marraum に連絡をとってきました。それは珍しい A-frame の設計を用いた現代的な住宅でした。「そのクライアントが私たちに再度連絡してくれた理由の 1 つは、以前に経験した VR エクスペリエンスでした」と Laskey 氏は述べています。
Marraum が建築における次のステップを踏み出すうえで、VR が役立っていることは明らかです。クライアントは成果を視覚化でき、コンセプト設計のプロセスが合理化され、顧客満足度が向上しています。Laskey 氏は次のように述べています。「クライアントの投資を安全なものにすることが重要です。自分が何に対してイエスと言ったのかを確実に理解してもらいます。クライアントにそのような経験をしてもらうために、私たちはビジネスが成り立つ範囲でできるかぎりの手を尽くしています。現在標準となっている 2D の静止画像による図面と比べると、優位性は明らかです。クライアントは巨額の蓄えを費やすのですから、それに見合ったものを提供する必要があります」
ここでは、建築の分野における先進的なリーダーたちが設計のレビュー プロセスを変革するために最新のテクノロジーをどのように活用しているのか、いくつかの事例を紹介しました。リアルタイム テクノロジーから Pixel Streaming、VR まで、新しいイノベーションによって建築家はイテレーションを高速化し、設計を強化し、顧客満足度を向上させ、クライアントの獲得と維持につなげています。